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家の壁にアスベストが使われているか調べる3つの方法について解説!

2023.08.16

アスベストは、安価で耐火性・断熱性・電気絶縁性に優れています。
そのため、「奇跡の鉱物」として、高度成長期に非常に重宝されました。
しかし、石綿肺や肺がんなどの深刻な健康被害が判明し、現在は使用が全面的に禁止です。

アスベストの知識を把握していないと、健康が冒される可能性があります。
そこで今回は、家の壁にアスベストが使われているか調べる方法や、使用されていた場合の対処法について詳しく解説します。

家の壁にアスベストが使われているか調べる3つの方法について解説!

アスベストとは?

アスベストは、天然にできた鉱物繊維です。
熱や摩擦、化学物質に強いので、断熱材や屋根のスレートなど建築資材に使われていました。
そのため、危険とわかるまでは「奇跡の鉱物」と呼ばれていました。

しかし、アスベストを吸い込むと数々の疾病の原因になることが、現在では判明しています。

家の壁にアスベストが使われているか調べる3つの方法

アスベストは目視だけで見分けるのは困難です。
しかし、建物の建設時期や使用している建材などから、アスベストの使用は予測できます。
詳しく見ていきましょう。

1. 専門業者に依頼する

正確にアスベストの使用の有無を調査したい場合は、「建築物石綿含有建材調査者」の資格を持っている専門業者に調査を依頼しましょう。
特に1988年以降の古い家屋を建て替えたり、土地の売却などで建物を撤去したりする場合は事前に調査しておく必要があります。

アスベストの調査は、必ず専門の業者に依頼しましょう。
外壁や内装および、屋根や屋根裏まで調査する必要があるからです。
一般の建築業者に調査を依頼しても、無駄になる可能性があるため気を付けましょう。

2. 建築時期で調べる

現在はアスベストの使用は法律で全面禁止です。
そのため、多く使用されていた時期から禁止されるまでの期間の建物には注意せねばなりません。

アスベストの使用が始まったのは1941年頃といわれています。
そして1975年頃に法改正が行われ以降年々規制が厳しくなってきました。
規制の推移は以下の通りです。

1975年 アスベスト含有率5%以上の吹き付けアスベストの使用禁止
1995年 アスベスト含有率5%以上の吹き付けアスベストの使用禁止
2006年 アスベスト含有率0.1%以上の超えるものの使用全面禁止

国土交通省によると日本でのアスベストの使用ピークは1970〜1990年といわれています。
この時期に、新築やリフォームを行った住宅は特に注意が必要です。

2006年にアスベストは実質的に利用不可となりました。
そのため、2007年以降に建てた住居であればアスベストの心配はありません。

3.住宅の設計図面などで調べる

住宅の設計図面でもアスベストの使用について確認可能です。
設計図面には間取りはもちろん、使用されている建材も記載されています。
建てられた時期および使用されている建材名や品番で、アスベスト含有の有無は判断可能です。

調べた情報を元に国土交通省のホームページで、建材名やメーカー名・型番・品番などを入力し建物の照会をしましょう。

家の壁にアスベストが使用されていた場合の対処法3選

アスベストは長い潜伏期間のあとに発病し重症化させる恐ろしい物質です。
調査の結果、アスベストが使用されていると判明した場合、どう対処すればよいのでしょうか?

ここでは、家の壁にアスベストが使用されていた場合の対処法を解説します。

1. 新しい外壁材を重ね張りする

アスベストが含まれている壁のうえから、さらに壁を取り付ける方法です。
外壁塗装する方法と比べて、メンテナンスの周期が長くなります。

新たに壁自体を取り付けるため、高圧洗浄などを行ってもアスベストが飛散する心配が少ないのもメリットです。

新たに壁自体を取り付ける工事のため、外壁塗装と比較して費用が高価です。
アスベストそのものを除去しているわけではないので、将来的にはアスベストの除去が必要なのもデメリットでしょう。

外壁材は傷んでいても下地は問題ない場合にのみ、使用可能な方法です。

2. 外壁を塗装する

外壁を塗装する方法は、最も費用がかからない方法です。
塗装が剥離したり、壁面がむき出しになってしまったりした部分を塗装によって補います。
アスベストが飛散しなければ害はありません。

そのため、塗装をすれば飛散を防ぐ効果が期待できます。

ただし、外壁自体が劣化している場合、塗装前の高圧洗浄によりアスベストが飛散する可能性があります。
アスベストが使用されている外壁を塗装する際は、壁面が劣化する前に行いましょう。

なお、この方法ではアスベスト自体を撤去できません。
そのため、将来的にはアスベストの撤去が必要となります。

3. 外壁を張り替える

アスベストを使用している外壁を撤去し骨組みのみになった箇所に、新しい外壁材や屋根材を設置する方法です。
原因となる外壁自体を撤去しているので、今後アスベストの健康被害を心配せずに生活できます。

現在の外壁から粉塵がでないように湿潤化して、壊さないように手でバラしていくのが基本の撤去方法です。
現在の外壁の撤去費用や新しい外壁の設置費用はもちろん、アスベスト含有の廃材処理費用など3つの方法の中でコストは最も高くなります。

まとめ

家の壁にアスベストが含まれているからといって、今すぐに外壁を取り替えなければならないわけではありません。
ただし、将来的にいつかはアスベストが使用されている壁を解体する必要があります。

まずは家の壁に、アスベストが使用されているか調べましょう。
調査をすれば、今後のメンテナンス費用やメンテナンス周期を予想可能です。