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アスベスト除去工事はきつい?手順や必要性を解説

2023.12.21

古い建物には、建材としてアスベストを使用しているケースは珍しくありません。
解体する際は除去工事が必要であり、きついのではないかと思う方もいるでしょう。

アスベストは人体に有害な物質であり、除去は定められたルールに沿って行うことが重要です。

今回は、アスベスト除去工事がきついと思われている理由や必要性、除去工事の手順を紹介します。

アスベスト除去工事がきついと言われる理由は

アスベスト(石綿)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で、耐火性、防音性、断熱性が高いため、1970年代までは建物の断熱材など盛んに使用されてきました。

しかし、細かい繊維が体内に入ると中皮腫や肺がんなどの健康被害が出ると分かったため、使用が禁止されています。

しかし、アスベストを使用した建物はまだ数多くあるため、解体工事の際はアスベスト除去工事が必要なケースがあります。

ここでは、アスベスト除去工事がきついと言われる理由を2つ紹介しましょう。

防護服の着用が必要

アスベスト除去工事をする場合、作業員は専用の防護服を着用しなければなりません。
アスベストの繊維は大変細かく、解体作業によって舞い上がって体内に入るためです。

また、アスベストの健康被害はすぐに症状となって現れないため、除去工事はアスベストを吸い込んだり体の表面に繊維が付着したりしないようにします。

防護服は繊維の吸入や付着は防いでくれますが、通気性はありません。
防護服を着たうえでの長時間の作業は、季節によっては大変です。

工事現場も対策が必要

アスベスト除去工事をする際は、現場もアスベストの繊維が飛び散らないように対策が必要です。

具体的には、現場をすっぽりと覆い繊維が飛び散らないようにします。
準備も大変なうえ、夏場は熱がこもる場合もあり、作業場の環境は快適とは言えないでしょう。
作業を終わったあとの片付けもアスベストの繊維が飛び散らないように注意が必要です。

この手間も、アスベスト除去工事がきついと言われる理由でもあります。

アスベスト除去工事のレベルは3段階

建材に使われているアスベストのレベルは以下の3段階にわかれています。

レベル1 粉塵の発生率が非常に高い

石綿含有吹付け材などが該当

レベル2 粉塵の発生率が高い

配管などに巻き付けてある保温材や断熱材が該当

レベル3 粉塵の発生率が低い

板状などの用意硬く成形された建材などが該当

アスベスト除去工事においてレベル1~2は必須です。
レベル3の場合、1~2に比べると危険度は下がりますが、通常の除去工事と同じように撤去はできません。

建物の建材にアスベストが含まれると事前調査で分かった場合は、必ずアスベスト除去工事の実績がある業者に依頼して撤去してもらいましょう。

アスベスト除去工事の必要な2つの理由

ここでは、アスベスト除去工事が必要な2つの理由を紹介します。

アスベストを含む恐れがある建物を解体する場合、必ず事前調査も必要です。
面倒かもしれませんが、必ず遵守しましょう。

作業員の健康を守るため

前述したように、アスベストの繊維が体内に入ると肺に蓄積され、肺がんや中皮腫といった健康被害が出ます。

しかも、実際に症状が出るのは石綿を吸引して20年以上経ってからといったケースも珍しくないため、石綿の被害がなかなか明るみに出ませんでした。
防護服やマスクは、作業員の健康を守るためです。

暑かったり動きにくかったり息苦しかったりしますが、アスベストを含む建材が使われている建物は減ってきているので、除去工事の必要性は減少する可能性もあります。

周辺の環境を守るため

アスベストの繊維が周辺に舞い散れば、周囲の環境も汚染します。
例えば、人通りの多い場所で解体工事を行う場合、工事現場をカバーしていないと周辺を通る方に健康被害が出るケースもあるでしょう。

また、アスベストの繊維が大量に舞い上げられれば、被害が遠くまでおよぶ恐れもあります。
周囲の環境を守るためにも、アスベスト除去工事は必須です。

アスベスト除去工事のポイントは2つ

ここでは、アスベスト除去工事を行うポイントについて紹介します。
建物の解体工事を行う予定がある方は、参考にしてください。

専門の業者に依頼する

アスベスト除去工事は、専門の防護服や工事現場を覆うカバーなどが必要です。
必ず、専門業者に依頼しましょう。
建物を解体する場合は、規模にかかわらずアスベストの事前調査が決められています。

もし、アスベストが発見されれば、除去工事が必要です。
レベル3のアスベスト建材であっても、通常の産業廃棄物と同じように処分はできません。

築年数の経った建物ほど、レベル1~2の建材が含まれている可能性も高まります。

DIYは不可

近年はDIYが流行しており、本格的な工事もDIYで行う方も増えています。

しかし、アスベスト除去はDIYではできません。
たとえレベル3の建材でも、家庭ごみとして処分は不可能です。

また、個人が建材を産業廃棄物として処理できません。
DIYの魅力は専門業者に依頼するより費用を抑えられる点ではありますが、アスベスト除去は専門業者に任せましょう

まとめ

アスベストを断熱材などの建材に利用した建物の劣化が進んで取り壊しが進む現在、アスベスト除去工事の需要も増しています。
1970年代前半まで建てられた建物は、まだまだレベル1~2に該当するアスベストが使われている可能性もあります。

特に、断熱性や防火性に高い建物を解体する場合は、アスベストがあると考えて専門家に除去工事を依頼しましょう。