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アスベストレベルについて知る!主に使われる建材や使用用途を解説

2023.10.13

アスベストは建物の解体時の費用に大きな影響を与えます。
アスベストが含有された建物は、含有されていない建物よりも解体費用が高額になりがちです。

また、アスベストにはレベルがあります。
レベルにより解体費用は変化するため、アスベストレベルの理解は重要です。
今回は、アスベストやそのレベルについて、詳しく解説します。

アスベストレベルについて知る!主に使われる建材や使用用途を解説

アスベストレベルとその分類について

アスベストは石綿とも呼ばれます。
天然鉱物であり、綿状に変形している点が特徴です。
耐熱性や耐摩擦性に優れており、建材などで幅広く活用されていました。
しかし、1970年代に健康被害の事実が発覚し、1975年から徐々に制限が禁止され2006年に全面禁止となりました。

アスベストは繊維状に変形している特性上飛び散りやすく、その危険度がレベル別に区分されています。

ポイントは発じん性!

アスベストのレベルは、発じん性と呼ばれる飛び散りやすさを基準に危険度を設定し区分しています。
3段階に分類され、危険度の目安は以下のとおりです。

・レベル1:発じん性が最も高く、危険度が高い
・レベル2:発じん性が高く、取り扱いには注意が必要
・レベル3:1~2と比較すると発じん性は低いが、注意は必要

アスベストレベルは、一般的な危険度のレベル分けとは逆に設定されている点が特徴的です。
1が最も危険で、レベルが上がるにつれ危険度が低下します。

発じん性について知る

発じん性とは粉塵の発生率を指し、意味としては飛び散りやすさと同じです。
発じん性は解体工事実施時の飛散リスクに直結し、周辺環境・住宅へ悪影響を及ぼします。

アスベストは綿状(繊維状)に変形しています。
レベルにより、飛び散りやすさが異なる点が特徴です。
そのため、解体の際には発じん性の高さに応じた飛散防止策の立案・実施が必要です。

アスベストレベル1

アスベストレベル1は、最も危険性が高い区分です。
アスベストと聞いて、多くの方がイメージする綿のようなタイプに該当するのがレベル1です。

綿状のアスベストは工事実施時に飛散するリスクが高いため、危険性も高くなります。
解体時にはアスベストを取り除き、アスベストがない状態にしてから工事を実施します。

建材の代表例を知ろう

アスベストレベル1に該当する建材は、石綿含有吹付材と呼ばれるアスベストとセメントを混合した素材です。
液・霧状の物質で建築物に吹きかけると、固まって綿のような状態になります。

石綿含有吹付材はアスベストの濃度(含有量)が非常に高く、撤去時に大量の粉塵が飛散してしまいます。

どのような箇所に使用されるのか

アスベストレベル1に該当する石綿含有吹付材は、主に以下の場所で使用されていました。

・耐火建築物にて用いられる梁や柱
・エレベーターの周辺の素材
・ビルの機械室やボイラー室などの壁や天井
・講堂や立体駐車場などの壁や天井

石綿含有吹付材は、特性を十分に発揮できる耐火用や断熱・吸音性が要求される場面で多用されていました。
特に昭和30年代~50年代に建てられた建造物の場合、使用されている可能性が高いでしょう。
石綿含有吹付材は公共物や商業系の建造物に使用される場合がほとんどで、一般の家屋にはほとんど使われていません。

アスベストレベル2

アスベストレベル2は、配管などに巻き付けられる保温材や断熱材として主に利用されていました。

アスベストレベル1と比較すると危険性は下がりますが注意は必要です。
理由としてはアスベストの密度が低い軽いものが多く、崩れてしまった場合に大量に飛散するリスクがあるからです。

ただ、巻き付けられて使われている場合が多く、個別に取り外すなどの対処がしやすくなっています。

建材の代表例を知ろう

アスベストレベル2に該当する建材の代表例は以下のとおりです。

・石綿含有保温材
・耐火被覆材
・断熱材

シート状で、対象となる箇所に巻き付けて使用されている場合が多いでしょう。

どのような箇所に使用されるのか

アスベストレベル2に該当する建材は、主に以下の場所で使用されていました。

・ボイラー本体や配管、空調ダクトなど保温性が要求される箇所
・建物などの梁や柱や壁の耐火被覆材として
・屋根用の折板裏断熱材として
・煙突用の断熱材として

用途は、断熱・保温・吸音目的が主です。

アスベストレベル3

アスベストレベル3はレベル1・2と比較すると、取り扱いが大きく変わる点が特徴といえます。

アスベストレベル3は硬い板状に形成されたものが多く、割れにくく飛び散るリスクが低いです。
ただし、アスベストの含有量が多いものもあるため注意は必要です。

令和3年の法改正により、アスベストレベル3の建材も特定建築材料に指定されました。
法改正により、アスベストレベル1・2同様の取り扱いや義務が要求されます。

建材の代表例を知ろう

アスベストレベル3に該当する建材は、アスベストレベル1・2以外の建材すべてです。
代表的なものとしては、アスベストが混ぜ込まれている硬い壁材や床材(スレート材やビニール床など)が挙げられます。

どのような箇所に使用されるのか

アスベストレベル3に該当する建材は主に以下の場所で使用されていました。

・建築物の屋根や外壁の素材
・建築物の天井・壁・床などの内装材
・ビニール床のタイル

アスベストレベル3の建材は、住宅などへの使用が主です。

まとめ

アスベストは、高い断熱・保温・吸音性があり建材として広く活用されていました。
しかし、発じん性による健康被害・リスクが発覚し、現在は使用が禁止されています。
アスベストが使用されている建造物の取り壊しには、アスベストのレベルに応じた取り扱いが必要です。

アスベストレベルを知り、適切な対応・依頼ができるようになりましょう。

弊社はアスベスト除去の施工実績や知見が豊富にあります。
施工を検討中の方はお気軽にご相談ください。