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アスベストの危険性とは?健康被害・対処方法や国の施策を詳しく紹介

2023.01.29

解体関係の業種に興味を持ったときに、アスベストの危険性が気になる方もいるでしょう。
しかし、どのような健康被害を受けるのか知らない方も多いはずです。

この記事では、アスベストの危険性や原因となる健康障害、作業員が行うアスベスト吸引対策を紹介します。
この機会にアスベストの知識を身につけて危険性を下げ、就職や転職活動に活用してみませんか?

アスベストの危険性とは?健康被害・対処方法や国の施策を詳しく紹介

なぜアスベストは危険性の高い物質なのか

アスベストは目視で確認できないほど小さく、人の肺に蓄積しやすい危険性のある線維です。
吸い込むと、肺に長く留まり、肺疾患を誘発するリスクがあります。

アスベストが原因で、肺がんなどの重篤な疾患を発症する可能性もゼロではありません。
アスベストの吸引量と肺病の関連性・及ぼす危険性は認められています。
しかし、吸引の程度や期間などは、はっきりしていません。

作業員の健康を守るために、アスベスト飛散の可能性がある作業現場や工事現場では、危険性低下のための飛散防止対策が必要といえるでしょう。

アスベストの危険性|引き起こす4つの健康被害

アスベストの吸い込みが原因で発症する危険性が高い疾患は主に4つあります。

1. アスベスト肺
2. 肺がん
3. 悪性中皮腫
4. びまん性胸膜肥厚

これらの疾患にかかり、労働基準監督署が業務上疾患と認定した場合、労災保険で治療も可能です。
各疾患を詳しく解説します。

1.アスベスト肺

アスベストの吸引が原因となり、肺が線維化する危険性の高い肺線維症の1種です。
病気の潜伏期間は、15年~20年です。
アスベストの吸い込みから時間が経っても進行する可能性があるため、定期的な経過観察を必要とします。

アスベスト肺の主な症状は、重度の呼吸機能障害です。
治療は、咳や痰に対する薬物療法などで行います。

2.肺がん

肺に蓄積されたアスベストの線維が刺激となり、肺がんを発症する事もあります。
アスベストを多量吸引したり喫煙者だったりする方は、肺がん発症リスクが高いです。
潜伏期間は30年から40年で、発症すると咳や痰・血痰の症状がみられます。
症状に合わせ、外科治療・放射線治療・薬物療法などで治療を行います。

3.悪性中皮腫

悪性中皮腫は胸膜・腹膜・心膜などにできる悪性腫瘍です。
若い時期にアスベスト吸引をした方や、アスベストを多量に吸引した方は、悪性中皮腫の危険性が高い傾向にあります。

潜伏期間は20年~50年ですが、濃度が低いアスベストの吸引でも発症する可能性があるため気をつけましょう。
腫瘍ができる箇所により、症状が変わるのが悪性中皮腫の特徴です。
息切れや胸痛がみられる場合には、外科治療や抗がん剤治療などで対処します。

4.びまん性胸膜肥厚

肺の膜が炎症を起こし慢性線維胸膜炎となった状態が、びまん性胸膜肥厚です。
高濃度のアスベストを吸引したのが原因で、発症する危険性が高い病です。

約3年以上のアスベスト吸引歴での症例が多く、発症までの潜伏期間は30年~40年です。
主な症状は重度の呼吸機能障害で、特別な治療法はありません。
発症した場合には、在宅酸素吸引にて対症療法を行います。

アスベストの危険性対策|事業所が実施する3つの手段

ここでは、事業所が実施する主な健康被害対策を3つ紹介します。

1. 保護具の着用
2. 特殊健康診断の実施
3. 健康管理手帳の交付

上記以外の対策が気になる方は、厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」をチェックしましょう。

1.保護具の着用

アスベスト除去工事を行うときには、アスベスト吸引や付着防止のため保護具の着用が推奨されます。

行う作業 アスベストの切断等作業 成形板の除去作業を実施する作業場でのアスベスト除去以外の作業
作業区域 隔離空間内 隔離空間外
保護具 ・電動ファン付き呼吸用マスク

・上記の同等以上の性能がある送気マスク

・取替式防塵マスク

(RSCまたはRL3)

※切断等を行わない場合は取替式防塵マスクも可能。

(RS2またはRL2)

・取替式防塵マスク

・使い捨て防塵マスク

保護着 フード付き保護着 保護着または作業着

参考:『厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト』

作業区域により、着用する保護具は変わりますので、作業時には確認が必要です。

2.特殊健康診断の実施

アスベスト除去工事に従事している作業員には、特殊健康診断が実施されます。
特殊健康診断の頻度は雇用時やアスベスト作業への配置変更、その後は6ヶ月以内ごとに1回です。

特殊健康診断は以下の項目です。

● 業務の経歴の調査
● 石綿(アスベスト)による咳・痰・息切れ・胸痛等の他覚症状または自覚症状の有無の検査
● 胸部のエックス線撮影による検査

上記以外にも医師の判断により、検査項目が追加される場合もあります。

3.健康管理手帳の交付

健康被害を受ける恐れがある業務に従事し、定められた要件を満たす場合は健康管理手帳が交付されます。
離職時あるいは離職後に交付されるため、指定医療機関で年1回、無料で健康診断を受けましょう。

健康管理手帳は交付規定がありますので、対象となるか気になる方は事業所へ尋ねましょう。

アスベストの危険性から安全な暮らしを守る!中沢工業で一緒に働きませんか?

アスベスト除去工事は、アスベストの危険性から人々の安全な暮らしや環境を守り、社会貢献にもつながる重要な仕事です。
専門性・危険性のあるアスベスト調査、除去工事を一手に請け負います。

中沢工業でアスベスト除去工事の仕事をすると、以下5つのメリットがあります。

● 資格取得支援を積極的に実施
● 厚生労働省の定めたルール・マニュアルを厳守
● 社会保険完備
● お祝い金5万円支給
● 社宅制度あり

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未経験者の採用も可能なので、以下リンクからぜひご応募ください。

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まとめ

アスベストを使用した建築物を減少させる作業員は、人々の健康被害や環境破壊から守る重要な仕事です。
危険性が高い仕事のため、国や事業所が行っている施策を利用できます。

ルールに従って作業を行えば、健康被害のリスク・病気にかかる危険性を減らせるでしょう。